野良猫(保護猫)との出会いは一軒のご飯屋さんから始まった
年の瀬も迫る寒い日、私は家族と一緒にご飯屋さんを訪れました。楽しく食事を終え、駐車場へ戻ったとき、聞こえてきたのは小さな「にゃーにゃー」というか細い鳴き声。
そこには、目が塞がりそうなほどの目やに、ぐちゅぐちゅの顔、痩せ細った体、そしてボロボロの毛並みの茶トラの子猫がいたのです。
見捨てられたような姿に、胸が締めつけられた
近くには元気そうな黒猫の子猫と母猫らしき存在がいました。けれど、この茶トラだけが明らかに違う。
「この子は、きっと見捨てられてしまったんだ…」
そう思わざるを得ないほど、ひとりぼっちで弱々しい姿でした。
置いていけない——このままでは死んでしまう

寒空の下、この子を置いていけば命は長くない。それが直感的にわかりました。私は一緒にいた義両親に事情を説明し、この子を連れて帰ることを決意しました。
夫にはまだ話していませんでしたが、「助けたい」という一心で行動に移しました。
子猫の名前は「あくび」——娘がつけた可愛い由来
車に自ら乗り込んで私たちが保護した子猫は、「あくび」と名付けられました。娘が「あくびしてたから」と言ってつけてくれた、優しい名前です。
人懐っこい性格で、膝に乗ったりスリスリしたりと甘えてくる姿に、胸がいっぱいになりました。
食べない…でも、あきらめたくない
あくびは全くご飯を食べようとせず、不安でたまりませんでした。病院の予約時間を待ちながら、私は夫にどう説明しようかと内心ドキドキ。
そして夫から「帰るよ」との連絡が来た瞬間、私はすぐに電話し、涙ながらに「ごめんなさい」と事情を説明しました。
夫の言葉と優しさに、救われた夜
夫の返事はこうでした。
「拾ってきたなら、最後まで飼わなきゃいけない」
それだけではありません。すぐにゲージ・トイレ・子猫用フードを買いに行き、あくびを病院へ連れて行ってくれたのです。
病院での処置と、保護猫あくびの回復の兆し
病院ではノミダニ駆除と予防接種、目を開ける処置が行われました。目からは大量の膿が出たとのことで、本当にギリギリの状態だったようです。
栄養不足だったため、高栄養の缶詰をもらいました。最初は食べなかった保護猫あくびですが、少しずつモリモリと食べてくれるように。
あたたかい家族の一員になった保護猫あくび

その夜、私は夫と一緒に長い時間を過ごしながら、あくびを見つめて「かわいいね」と何度も言いました。まるで家族になったことを、あくび自身も喜んでいるようでした。
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まとめ|一匹の保護猫との出会いが、家族の絆を深めてくれた
この出来事は、私にとって一生忘れられない出会いとなりました。「助けたい」という気持ちが、家族を動かし、小さな命を救うきっかけになったのです。
もしあなたが、野良猫(保護猫)に出会った時、迷ったら思い出してほしい。あなたの行動が、その猫ちゃんの命の運命を変えるかもしれません。
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