猫を飼っていると、「観葉植物を置きたいけれど、かじってしまわないか心配」という声をよく聞きます。
インテリアにグリーンを取り入れると、空間に癒しを与え、リラックス効果やストレス軽減にもつながります。
しかし、猫にとっては植物は単なるインテリアではありません。
新しいものや動くものには強い好奇心を示すため、観葉植物は遊び道具のように見えたり、噛むと美味しそうな草に見えてしまうことがあり、誤ってかじると健康を損ない病気になってしまう可能性もあります。
我が家でも、せっかく育てた植物がボロボロになったり、その度に猫の健康が心配になったりと、悩んできました。
そこで今回は、猫と観葉植物を安全に楽しむためのポイントを詳しく紹介します。
猫が観葉植物をかじる理由
猫が観葉植物をかじってしまうのは、決していたずらやわがままだからではありません。
猫には本能や習性、日常生活での欲求から、植物に手を伸ばしてしまう理由があります。
好奇心によるもの
猫はとても好奇心旺盛な生き物です。
新しいものや見慣れないものを見つけると、まず匂いを嗅いで確認し、前足でチョイチョイして感触を確かめ、最後にかじって安全かどうかをチェックします。
特に子猫や室内飼いの猫は、刺激が少ない生活環境では、この「チェック行動」よく現れます。
観葉植物は見た目も触り心地も面白いため、猫にとっては自然に手を出したくなる対象です。
草を食べたい欲求
猫は本来肉食動物ですが、毛づくろいで飲み込んだ毛を出すために、時折草を食べる習性があります。
観葉植物は、こうした草を食べたい欲求を満たす代用品になってしまうことがあります。
特に室内飼いで自然の草に触れる機会が少ない猫は、観葉植物を「食べられる草」として認識してしまうことがあります。
草を食べたい欲求
猫は本来肉食動物ですが、毛づくろいで飲み込んだ毛や胃の中の消化を助けるために、時折草を食べる習性があります。
観葉植物は、こうした草を食べたい欲求を満たす代用品になってしまうことがあります。
特に室内飼いで自然の草に触れる機会が少ない猫は、観葉植物を「食べられる草」として認識してしまうことがあります。
ストレスや退屈のサイン
運動不足や刺激が少ない環境では、猫はストレスや退屈を感じやすくなります。
かじる行動は、このストレスや退屈を発散する手段のひとつです。家具やコードをかじる猫も少なくありません。
遊びやおもちゃ、爪とぎなどで気を紛らわせると、観葉植物をかじる頻度を減らすことができます。
猫にとって危険な観葉植物とは?
観葉植物の中には、猫がかじると中毒を起こしてしまう種類があります。
中には「葉をちょっとかじっただけ」でも体調を崩すものもあり、症状が重くなると命に関わるケースもあります。
見た目がきれいで人気のある植物ほど、実は猫には危険な場合があるため注意が必要です。
ここでは特に気をつけたい植物と、食べてしまったときの症状、そして緊急時の対応を紹介します。
特に気をつけたい植物
- ポトス
丈夫で育てやすく、初心者にも人気のポトスですが、葉や茎にはシュウ酸カルシウムという有毒成分が含まれています。猫が口にすると口内が刺激され、強い痛みや炎症、嘔吐などを引き起こします。 - モンステラ
大きな葉と独特の切れ込みが魅力のモンステラも、同じくシュウ酸カルシウムを含みます。口の中や舌が腫れたり、よだれが止まらなくなったりする危険があります。 - ユリ科植物(スパティフィラム、ドラセナなど)
ユリ科の植物は、猫にとって特に危険です。少量でも腎障害を引き起こすことがあり、食べた量にかかわらずすぐに動物病院での治療が必要です。 - アロエの一部
アロエの種類によっては、人間には健康に良いとされる成分が猫には有害になることがあります。下痢や嘔吐、震えなどの中毒症状を起こす可能性があります。
食べてしまったときに出る症状
猫が危険な植物を食べてしまうと、以下のような症状が出ることがあります。
- 嘔吐や下痢が続く
- よだれがたくさん出る
- ぐったりして元気がない
- 歩き方がふらつく、けいれんが見られる
症状が軽くても油断は禁物です。毒素が体内に吸収されている可能性があるため、早めの受診が大切です。
もし誤って食べたら?
すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
このとき、どの植物をどれくらい食べたか、いつ食べたか、をできるだけ正確に伝えることが重要です。
植物の葉や茎を持参したり、写真を撮って見せると診断や治療がスムーズに進みます。
猫にやさしい観葉植物はあるの?
「猫にとって絶対に安全」と断言できる植物は実は少ないのですが、一般的に毒性が低く、比較的安全とされている植物はいくつかあります。
これらを選ぶことで、猫と一緒に安心して緑を楽しめる可能性が高まります。
安全性が高いとされる植物
- パキラ
観葉植物として非常に人気の高いパキラ。丈夫で育てやすく、猫にも比較的安全とされています。ただし、葉をかじることで消化不良を起こす場合があるため、口にしないよう注意が必要です。 - アレカヤシ
柔らかな葉が南国の雰囲気を感じさせるアレカヤシは、猫にとって毒性が低い植物のひとつ。光があまり入らない場所でも育てやすく、インテリアにもなじみます。 - テーブルヤシ
猫が少し葉をかじっても中毒症状を起こしにくい植物です。耐陰性があり、室内でも育てやすいのでペットと暮らす家庭に人気があります。 - バジル
猫が少量をかじっても、中毒症状を起こす成分は含まれていません。ハーブの香りを楽しめるうえ、観葉植物代わりに置くこともできます。
安全とされる植物でも油断は禁物
「安全」とされる植物であっても、猫が大量にかじれば下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。
また、鉢の土や肥料が原因でお腹を壊すこともあるため、かじらせない・掘らせない工夫が大切です。
猫と安全に暮らせるグリーンの取り入れ方
少し工夫をすれば、猫と観葉植物は安全に共存できます。
ここでは、猫の健康を守りながらインテリアにグリーンを取り入れる方法を紹介します。
高い場所や吊り下げて飾る
観葉植物を猫の手の届かない場所に置くことで、誤ってかじられるリスクを減らせます。
棚の上や窓辺に設置するほか、天井から吊るすハンギングポットもおすすめです。
ただし、ジャンプ力のある猫は高い場所にも簡単に届いてしまうことがあります。
複数の足場を使って登れないよう家具の配置を工夫したり、吊り下げる場合はしっかり固定することが大切です。
猫草を育ててあげる
猫草は、猫が安心して食べられる植物の代表格です。
燕麦や小麦、大麦を発芽させたもので、毛玉を吐き出すサポートをしたり、胃腸を整える働きがあります。
市販の栽培キットを使えば、土を使わないタイプもあり、初心者でも手軽に始められます。食べ過ぎないように量を調整してあげましょう。
我が家は、猫草をあげるようになってから、観葉植物への興味が減り、かじらなくなりました。
フェイクグリーンも意外とあり
最近のフェイクグリーン(人工観葉植物)は、とてもリアルで質感も本物そっくり。水やりや日当たりの管理が不要で、猫がかじってしまっても安全なのが魅力です。
造花やフェイクグリーンなら、好きな場所に自由に配置できるため、忙しい飼い主さんや植物のお世話が苦手な方にもぴったりです。
観葉植物の雰囲気を楽しみつつ、猫の安全も守れます。
まとめ
猫と観葉植物は、工夫次第で安全に共存できます。
何より大切なのは、「猫がかじらない環境づくり」です。
安全な植物を選び、置き場所を工夫し、猫草で欲求を満たしてあげれば、緑のある暮らしと猫の健康を両立できます。
大切な猫と、心地よいインテリアを楽しむために、今日からできることから始めてみませんか?


